シミ対策
公開日:2023.03.30
更新日:2023.08.09
こめかみにできるシミが気になる!原因&対策を解説
年齢を重ねるごとに、こめかみのシミが気になるようになった、増えてきたという人も多いのでは?シミにはいくつかの種類があり、種類に合った対策をすることが大切です。本記事では、こめかみにできるシミの種類や原因、自宅でできる予防&対策、できてしまったこめかみのシミに対する主な治療方法などを紹介します。
そもそもシミとは?
シミは、こめかみに限らず顔や身体のあらゆる部分で見られます。まずは、そんなシミの定義や主な種類を確認しておきましょう。
シミの定義
シミとは、メラニンの蓄積により皮膚に色素が沈着している状態のこと。まわりの肌の色と異なる部分は「色素斑」と言います。主に、メラノサイト(色素産生細胞)でつくられるメラニンの産生と排出のバランスが崩れることで、色素沈着が起きます。
シミの主な種類
- 老人性色素班
- 肝斑(かんぱん)
- 雀卵斑(じゃくらんはん)、そばかす
- 太田母斑
- 炎症性色素沈着
- 摩擦黒皮症
- ほくろ
- 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
それぞれ、できる場所や原因などが異なります。今回はこの中から、こめかみにできやすいものを中心に、原因や特徴を紹介します。
こめかみにできやすいシミの種類・原因
こめかみにできやすいシミは、老人性色素斑・肝斑・炎症性色素沈着・後天性真皮メラノサイトーシスなどです。それぞれの特徴や原因を解説します。
1. 肝斑
肝斑とは、複数の要因により後天的にできる色素斑です。30代頃から目の下〜頬にかけてできることが多いシミで、特に頬や上唇などに左右対称で現れます。
主な原因は女性ホルモンの乱れですが、紫外線も大きく関係しています。女性に多く見られるのが特徴で、妊娠時には色が濃くなる場合もあります。
2. 老人性色素斑
40歳以上に現れ始めるのが老人性色素斑です。色は濃い褐色または黒色で、周辺部分との境界がはっきりしているのが特徴。大きさは、米粒大から数センチほどあるものまでさまざまです。
これまで日常的に繰り返し浴びてきた紫外線によるダメージが原因で、年齢とともに増加します。光老化の1つで、顔だけではなく手の甲や前腕などにも見られます。
3. 炎症性色素沈着
炎症性色素沈着とは、名前の通り肌の炎症が原因でできるシミです。
炎症の主な原因として、スキンケア時の力の入れすぎによる肌への摩擦、普段使っている化粧品や洗剤といった家庭用品、植物などのかぶれが挙げられます。また、ニキビ跡が炎症後色素沈着となる場合もあります。
4. 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
後天性真皮メラノサイトーシスは、20歳以降にできる紫褐色の色素斑。そばかすよりも少し大きく、両側性に額・頬骨部・鼻背などに現れるシミです。
肝斑や雀卵斑(そばかす)との判別が難しく、これらと合併することもあるため、診断の難易度が高いという特徴もあります。
こめかみにできる盛り上がったシミとは?
こめかみに盛り上がったシミができている場合、老人性色素斑もしくは脂漏性角化症の可能性が考えられます。
老人性色素斑は年齢を重ねることで、つぼみ状の突起になる場合があります。色は通常の老人性色素斑と同様、濃い褐色または黒色です。一方、脂漏性角化症は良性腫瘍に分類され、黒褐色や黒色をしています。
どちらも盛り上がりが自然に消えることはないので、気になる場合は皮膚科などの医療機関に相談しましょう。
自宅でできるこめかみのシミ予防&対策
こめかみのシミを増やさないよう、予防・対策に取り組みましょう。自宅でできる予防・対策を紹介します。
丁寧に保湿する
保湿により肌のバリア機能を保ち、外的刺激から肌を守ることが、シミ対策につながります。化粧水・乳液・クリーム・美容液などのスキンケアアイテムを使って、肌の水分と油分のバランスを整えましょう。
肌のターンオーバーを整える
肌のターンオーバーが遅れると、メラニンが蓄積しやすくなります。メラニンを含んだ古い角質が溜まらないよう、先述した方法で肌をしっかりと保湿してターンオーバーを促しましょう。また、生活習慣の見直し・改善も重要です。質の良い睡眠をとる、適度な運動を習慣化する、バランスの良い食事を摂るなど、内側からもターンオーバーを整えましょう。
紫外線を防ぐ
紫外線はシミの原因の1つ。紫外線から肌を守るために、日ごろから化粧下地や日やけ止めを使用しましょう。
紫外線は年中降り注いでおり、肌は季節や天候、室内・室外にかかわらず影響を受けています。そのため、毎日の日やけ対策が欠かせません。
日差しが強い夏に外出する際は、日傘や帽子、長袖の服、UVカットのサングラスなども身に着けて対策しましょう。
細胞の酸化を防ぐ
紫外線の影響により活性酸素が発生すると、細胞の酸化を防ぐためにチロシナーゼが活性化し、メラニンが過剰につくられます。これを防ぐために、毎日の食事で効果的な栄養素を摂取しましょう。
栄養 |
期待される効果 |
含まれる食べ物 |
アスタキサンチン |
活性酸素の消去 |
鮭・イクラ・カニ・エビ |
ビタミンC |
酸化防止・メラニン分解 |
レモン・ライム・オレンジ・グレープフルーツ・柿・アセロラ・キウイ・トマト |
ビタミンE |
新陳代謝の活性化 |
ひまわり油・キャノーラ油・アーモンド・イクラ・たらこ・青魚・マヨネーズ |
肌を強くこすらない
普段から肌をこすらないように気を付けることも、シミ予防につながります。肌がかゆいとき、クレンジングや洗顔、保湿などのお手入れ時などに、力を入れて肌をこすらないよう注意しましょう。
医療機関で受けられるこめかみのシミ治療
既にできているシミが気になる人は、医療機関での治療を検討するのも良いでしょう。最後に、医療機関で受けられる主なシミ治療について解説します。
薬の内服
こめかみのシミが肝斑であれば、薬の内服をすすめられる場合があります。
用いられる薬はトラネキサム酸を配合したものが一般的。ただし、病院によって異なります。継続的な薬の内服によって改善していきますが、服用を中止すると再燃がみられる可能性も。紫外線が強い時期などは、特に継続的な内服が必要です。
トラネキサム酸で効果が見られない場合は、トレチノイン・ハイドロキノン外用による治療をすすめられることもあります。
レーザー治療
老人性色素斑や脂漏性角化症、後天性真皮メラノサイトーシスの主な治療方法として、Qスイッチレーザーやルビーレーザーといったレーザーが用いられます。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、化学薬品を皮膚に塗布し、皮膚を剥がすことによって起こりうる効果などを利用した治療方法です。肝斑や老人性色素斑の治療に用いられます。
まとめ
こめかみにできるシミには複数の種類があるため、それぞれに合った対策を行い予防することが大切です。こめかみを含む顔のシミを増やさないために、日頃から肌の保湿や紫外線対策に取り組みましょう。
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また、できてしまったシミについては、医療機関での治療を検討するのも手です。治療後も同じ場所にシミができやすいため、ターンオーバーを整えるケアを続けましょう。
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。