シミ対策
公開日:2022.06.03
更新日:2023.08.09
シミ対策をはじめる前に知っておきたい知識と食生活・生活習慣
誰もが「明るく透明感のあるキレイな肌でありたい」と思いますが、加齢とともに肌トラブルは増えてしまいます。そのなかでも気になるのが、目につきやすく隠しにくいシミではないでしょうか。気づいたらシミが増えていた…なんて経験もありますよね。
今回はシミ対策の基本を見ていきます。シミができてしまう理由やどうしたら予防ができるのかを知ることで、新たなシミの予防や、すでにあるシミの悪化を防ぎましょう。
シミ対策は正しい知識から
シミは様々な原因で知らず知らずのうちに悪化させていることがあります。正しい知識と効果的なケア方法を知って対策しましょう。
シミについて知ろう
シミは、メラニンが原因の1つにあげられます。そのメラニンには体に害がある太陽光から肌を守る役割があり、本来肌にとってなくてはならない存在なのです。では、どうしてシミになってしまうのでしょうか。
肌の一番外側は「表皮」と呼ばれていて、表皮の一番下である基底層にはメラニンをつくる「メラノサイト」があります。太陽光を浴びるとメラノサイトはメラニンを作り、日傘のように太陽光を吸収して、細胞のDNAにダメージを与えないようにするのです。
太陽光を浴びるとメラニンが生成されて肌が黒く日やけをしますが、時間が経つと肌の色は元に戻ります。このように周期的に肌が生まれ変わっていくことを「ターンオーバー」といい、新陳代謝とも呼ばれている働きです。肌は常にターンオーバーを繰り返し続けていて、健康な肌では約30日※の周期となっています。
※顔での推測値
ターンオーバーがスムーズであれば、メラニンを含んだ細胞は下から上に押し出されていき、最後は垢として肌からはがれ落ちていきます。
しかしターンオーバーは加齢、間違ったスキンケア、食生活の乱れなどで周期が遅くなり、肌の中で古い細胞がとどまってしまいます。こうしてメラニンが肌に残ってシミとなってしまうのです。
さまざまな「シミ」
シミには種類があるので原因にも違いがでてきます。
・老人性色素斑(日光性黒子)
顔の全体に現れやすいですが、手や腕にも生じます。薄い褐色~濃い褐色で、数ミリのものから数センチと大きなものもあり、形もさまざまです。長年にわたり日やけを繰り返すなど、太陽光によるダメージが主な原因で、加齢と共に40歳頃からゆっくりと増えていくのが特徴です。
・肝斑
30歳代と40歳代の女性に多く、頬骨やおでこ周辺に左右対称でできる褐色のシミです。シミとそうでない部分がハッキリとわかりやすく、目の周囲にはできないことが特徴です。生理や妊娠などホルモンバランスが変化するときに発生しやすくなります。
症状のある人の約5割が、紫外線照射が誘因とされており、日やけ対策は重要な予防方法です。
肝斑はお薬でないと効かないので肝斑用の医薬品を飲むのも有効です。
・雀卵斑(そばかす)
5mmくらいまでの小さなシミが3歳ごろから出てきて、思春期ごろに目立つようになります。シミの形が雀の卵の模様に似ていることから「雀卵斑」といわれていますが、「そばかす」という名称のほうが一般的になじみ深いでしょう。
両頬から鼻筋にかけて広がって出やすく、遺伝子的な要素が大きく関係していると考えられています。ですが、メラニンの増加がみられることから太陽光の影響も大きく、これを避けることも重要です。
シミのもとを追い出そう
加齢とともに増えるシミをこれ以上生み出さないようにするには基本となる4つのポイントがあります。
・メラニンを新たに作らせない「日やけ対策」
・メラニンを追い出す「ターンオーバーの促進」
・新しい肌をつくる材料を摂る「食生活」
・ホルモンバランスなど体調を整える「生活習慣」
では、さっそくどんなことに注意すればよいのか見ていきましょう。
お手入れにおける対策
お手入れでは保湿とターンオーバーの促進、そして日やけ対策が大切です。
・日やけ対策
メラニンは太陽光を浴びることで作られます。日やけ止めをムラなく塗り、帽子や日傘を活用して太陽光からのダメージを防ぎましょう。効果的に働かせるために、使用量を守るのがポイントです。少ないとムラになったり、防止効果が弱まったりしてしまいます。日やけ止めが肌から浮いてしまうと崩れの原因となりますので、最後はハンドプレスでしっかり肌に密着させましょう。太陽光は雨の日でも降り注いでいるので、365日対策することが必要です。
・ターンオーバー促進
スキンケアで肌の状態を整えて、加齢などで遅れてしまったターンオーバーを促進します。まずは洗顔で皮脂や汚れを洗い落としましょう。肌にやさしい洗顔料を選び、よく泡を立ててから、泡をころがすようにやさしく洗います。水またはぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
洗顔後は薬用美容液で肌の生まれ変わりを促す成分を与えましょう。オススメは、美白の薬用有効成分「エナジーシグナルAMP」が配合されたスキンケア用品。新しい肌を生み出す母細胞のエネルギー代謝を高めて、ターンオーバーを促しシミ・そばかすを防ぎます。そして、化粧水と乳液で肌のうるおいと柔軟性を高めて、クリームでしっかり蓋をします。
うるおった肌はバリア機能が高く、太陽光のダメージをおさえることができます。また乾燥した肌は日やけ止めがムラになったり、崩れたりする原因にもなりますので、朝晩ともにしっかり保湿しましょう。水分と油分のバランスがとれている肌はターンオーバーがスムーズになりますよ。
食生活における対策
食事は体をつくるための土台となるもので、お肌にも大切です。
偏ることなくバランスよく食べることを意識しましょう。
そのなかでも野菜や果物に含まれるビタミンCはコラーゲンの合成をサポートし、丈夫な肌を作る助けをしてくれます。ピーマン、ブロッコリー、カリフラワーなどに多く含まれます。
また、栄養素をおやつとして摂るのもオススメです。食事だけでは不足しがちなカルシウムは、魚やチーズはカルシウムから。40代以降の女性ホルモンの減少で失われがちな骨の丈夫さをキープするには、レーズンや干しぶどうがオススメです。スムージーやアーモンドから食物繊維を摂り入れるのを意識するのもよいでしょう。
生活習慣における対策
ストレスをためてしまうと、生活習慣が乱れて睡眠不足になるなど肌や体の回復に悪影響を及ぼすことも。ストレスをためないためには運動をしたり、お風呂につかったり好きなことをして気分転換をするとよいでしょう。自分の体調にあわせて仕事やお休みなどスケジュールを考えようにするのもポイントです。
また、シミの原因には肝斑のようにホルモンバランスによるものもあります。ホルモンバランスを整えるためには日やけ対策をしたうえで日中に適度な光を浴び、昼と夜のメリハリをつけることも大切です。
まとめ
シミは太陽光の浴びすぎやターンオーバーの遅れによって、メラニンを含んだ古い細胞が肌に蓄積することが原因の1つです。シミを防ぐためには日やけ対策と、遅れてしまったターンオーバーを促進するスキンケアが重要です。
さらに、肌をつくり、調子を整えるために欠かせないのは食生活と生活習慣です。この土台がしっかりしてなければケアも上手くいきません。シミ対策の基本は「毎日の積み重ね」です。明るく透明感のある肌を目指して取り組んでいきましょう。
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。