スキンケア
公開日:2023.02.28
更新日:2023.08.09
角質肥厚とは?肌がゴワつく原因とケア方法を知って美肌を手に入れよう
角質肥厚とは、ターンオーバーの乱れなどの原因により、肌の古い角質が剝がれずに蓄積して厚くなった状態のこと。気になる肌のゴワつきは、肌の角質肥厚が原因かもしれません。角質肥厚がなぜ起こるのかを踏まえ、原因やケア方法を紹介します。角質肥厚の改善方法を取り入れて、ゴワつきのない美肌を手に入れましょう。
角質肥厚(かくしつひこう)とは?
皮膚の最も外側にある表皮は、上から順に「角質層」「顆粒層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底層」の4つの層から成り、一定の周期で生まれ変わります。生まれ変わりの周期が遅くなると、本来は剥がれ落ちるべき表面の古い角質が蓄積し、角質肥厚を起こします。
一番下にある基底層の細胞(母細胞)から生まれた新しい細胞は、形や成分、働きを変えながら上へと押し上げられ、最後には角質となり役割を終えると剥がれ落ちていきます。このような皮膚の生まれ変わりがターンオーバーです。さまざまな原因でターンオーバーが遅れると、古い角質が剥がれにくくなり角質層が厚くなります。
肌がゴワつく角質肥厚の原因
年齢とともに気になる肌のゴワつき。その原因はターンオーバーが乱れ、古い角質が蓄積したことによる角質肥厚かも知れません。まずは、角質肥厚の主な原因を確認しましょう。
原因①ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーが正常な肌は、基底細胞(母細胞)が正常な周期で肌細胞を生み、一定の周期で生まれ変わります。肌の表面はキメが整いツヤがあり、角質層は水分と油分のバランスがとれた状態です。そして、肌はうるおいとハリに満ちています。
健康な肌のターンオーバーの周期は、約30日*と言われていますが、加齢などによりターンオーバーが遅れると表面の角質が剝れにくくなり、角質層が厚くなります。肌表面に古い角質が蓄積して厚くなると、ゴワつきだけではなく、シミやくすみ、乾燥などの肌悩みを引き起こす原因になります。
原因②乾燥
角質層には、肌自身が作り出す保湿成分や細胞間脂質などがバランス良く存在し、肌を守っています。肌が乾燥すると肌表面のバリア機能が低下するため、外的刺激に敏感になりダメージを受けやすい状態に。また、角質が乾燥するとさらにターンオーバーが遅れるため、さらなる角質肥厚につながります。
原因③紫外線
紫外線による刺激も角質が厚くなる原因です。長い間紫外線を浴び続けると、皮膚はダメージを受けます。すると紫外線の刺激から肌を守ろうと、自らがターンオーバーを早めて角質層を厚くします。厚くなることで、肌がくすんで見えたり、ゴワつくようになります。
原因④摩擦
摩擦による肌への物理的な刺激も角質を厚くさせる原因の1つです。洗顔やクレンジングの際、力を入れてこすると角質肥厚を招くだけではなく、肌を傷つけたり色素沈着を起こしたりといったことにもつながります。
原因⑤冷え
気温や湿度は、皮膚の水分量や皮脂量に影響を与えます。なかでも大きな影響を受けるのが、皮膚の最も外側にある角質層です。
秋から冬にかけては汗や皮脂の分泌量が減少し、肌を守る皮脂膜が作られにくくなるため、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能の低下によりターンオーバーが乱れると、角質肥厚につながります。
その他、夏の冷房による皮膚の温度低下や、室内と外の移動による急激な湿度の変化も、肌を不安定な状態にさせる要因です。
また冷えにより肌の血行が悪くなると細胞に栄養が行き届きにくくなるため、肌のターンオーバーの乱れにつながります。
原因⑥加齢による機能の低下
加齢とともに肌が本来持っている機能が低下するため、肌の内側にもその影響が表れます。肌の細胞を生み出す基底細胞の働きが低下すると、ターンオーバーが遅れることに。そうなると、古い角質が剥がれ落ちずに溜まるため 肌がゴワつくようになります。
原因⑦生活習慣の乱れ
栄養バランスがとれていない食生活は、肌の状態にも影響を与えます。ビタミンAやビタミンB群、タンパク質などの栄養素が不足すると体の新陳代謝が正常に行われず、ターンオーバーの遅れを招く原因に。またストレスや睡眠不足、運動不足などもターンオーバーの周期が乱れる要因となるため注意しましょう。
角質肥厚のケア方法
角質肥厚を改善するには、肌のターンオーバーを促すスキンケアが大切です。日々の丁寧な洗顔や保湿ケア、日やけ対策に加え、肌に良い栄養素をとることも心がけましょう。角質肥厚を改善するためのケア方法を紹介します。
丁寧な洗顔
古い角質や汚れが残っているとターンオーバーを妨げるため、朝晩の洗顔で肌を清潔に保ちましょう。丁寧な洗顔によってほこりや汗などの汚れ、古い角質を落とすことで、その後に使う化粧品成分の浸透も高まります。
洗顔のポイントは、キメの細かいたっぷりの泡で優しく洗うこと。顔全体に泡を広げたら、こすらず泡をころがすように洗い、ぬるま湯でしっかりとすすぎます。
保湿ケア
肌は乾燥するとターンオーバーが乱れ、角質肥厚の原因となるので、保湿ケアも重要です。化粧水・乳液・クリームを使った基本的な保湿ケアとあわせて、訴求成分が配合された美容液なども取り入れましょう。ヒアルロン酸やセラミドなどの高保湿成分が配合されたスキンケアアイテムを選ぶのがおすすめです。
日やけ対策
紫外線は季節や天候を問わず1年中降り注いているため、室内・屋外問わず毎日の日やけ対策が必要です。また紫外線だけではなく、近赤外線も時間をかけて肌に影響を及ぼすため、日やけ止めは紫外線と近赤外線の両方をブロックできるタイプがおすすめ。日やけ止めを塗る際は、塗りムラや日やけしやすい部分などの塗り残しがないように注意しましょう。
生活習慣の改善
十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないよう生活習慣を見直しましょう。食生活の面では、肌に良い栄養素を積極的に摂るようにしたいものです。肌に良いとされる栄養素と効果、含まれる食材は以下を参考にしてみてください。
栄養素 |
効果 |
含まれる食材 |
タンパク質 |
皮膚を形成する |
まぐろ赤身・鶏ささ身・豆腐など |
ビタミンA |
皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を高める |
ニンジン・ウナギ・モロヘイヤなど |
ビタミンB2 |
脂質の代謝や皮膚などの細胞の再生を助ける |
カレイ・納豆・アーモンドなど |
ビタミンB6 |
・エネルギー代謝の補酵素 ・皮膚の抵抗力を高める
|
赤身肉・鶏肉・マグロなど |
ビタミンC |
皮膚や細胞のコラーゲンを合成する |
パプリカ・ブロッコリー・オレンジなど |
ビタミンE |
・紫外線や外的刺激から肌を守り、肌のバリア機能を安定させる ・血行を促進し皮膚の新陳代謝を高める
|
卵・アボカド・オリーブオイルなど |
まとめ
さまざまな原因で肌のターンオーバーが遅れることにより、古い角質が剥がれにくくなり、角質肥厚を招いてしまいます。角質肥厚を改善するために、ターンオーバーを促すケアや保湿ケア、日やけ対策などを取り入れましょう。また食事や生活習慣の見直しも大切です。肌のターンオーバーに着目したスキンケアアイテムも活用して、ゴワつきのない健やかな肌を手に入れてください。
大塚製薬の「インナーシグナル」は、角質肥厚などに悩む人におすすめのスキンケア。配合されている有効成分「エナジーシグナルAMP*」がターンオーバーを促し、メラニンを含む古い角質の蓄積をおさえます。
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。