エイジングケア
公開日:2023.07.31
更新日:2023.08.09
ほうれい線を予防しよう|原因やセルフでできるアプローチを紹介
鼻の端から口の端へと伸びるほうれい線。目立つ部分にある溝なので、歳を重ねるに連れて気になるようになったという人も多いでしょう。ほうれい線は放置していると進行して深い溝となるため、早めのケアが重要です。ほうれい線ができる原因、予防方法、セルフマッサージを紹介します。
ほうれい線とは
ほうれい線は鼻の両脇から唇の両端にかけてハの字にできる、口もとと頬を隔てる溝のこと。鼻唇溝(びしんこう)とも呼ばれます。表情筋の収縮や、肌のハリ・弾力性が失われることで生じるもので、個人差はありますが30代以降からできやすいといわれています。
ほうれい線は加齢が進むにつれ深くなりやすいという特徴もあるので、早めに予防や対策をしておくことが重要です。
ほうれい線ができる原因
ほうれい線ができる原因として加齢がよく聞かれますが、太陽光やむくみなど加齢以外の要因も関係しています。ほうれい線の主な原因をチェックしていきましょう。
加齢
ほうれい線は加齢とともにできやすく、深くなりやすいといわれています。肌の真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどのハリや弾力をつくる成分は加齢で崩れやすく、肌細胞が陥没して深い溝になるためです。また、表情筋の衰えも加齢とともに進行しやすく、たるみやシワの原因となります。
太陽光
太陽光に含まれるUVA(紫外線A波)は肌の真皮まで届いてダメージを与え、コラーゲンやエラスチンを破壊します。その結果、肌のハリや弾力が失われ、シワやたるみができやすい状態に。
さらに太陽光には紫外線だけではなく、近赤外線も含まれています。近赤外線は肌の奥深くの皮下組織にまで侵入し、じわじわと時間をかけて影響を及ぼします。日頃から太陽光対策を意識していないと、ほうれい線やシワも深くなりやすいと言えるでしょう。
乾燥
乾燥もほうれい線を深くする原因の1つです。肌の表面が乾燥してキメが乱れると、角質層の弾力が損なわれて溝ができてしまいます。また乾燥を放置していると、溝がさらに深くなることも。ほうれい線やシワが目立ってしまうのを防ぐためにも、乾燥対策は欠かせません。
むくみ
顔のむくみにより、ほうれい線が目立ってしまう場合もあります。むくみは水分や老廃物が溜まっている状態。放置していると重力で下垂するため、皮膚が伸びた状態で定着します。それにより、頬が下がってほうれい線ができやすくなってしまいます。
また、むくみにより溜め込まれた老廃物は、肌の正常なターンオーバーを妨げるため、老化促進の原因にもなります。
活性酸素
活性酸素とは、体内に取り込んだ酸素の一部が他の物質と反応しやすい状態に変化したものです。
ストレス、太陽光、加齢などの影響で肌内部の活性酸素が増えると、真皮のコラーゲンやエラスチンの働きが弱まり、ヒアルロン酸が減少。コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞もダメージを受け、深いシワやたるみができやすくなります。また活性酸素は、細胞を酸化させる働きもあるため、老化の一因にもなります。
【スキンケア】ほうれい線の予防方法
ほうれい線が深く刻まれるのを防ぐために、まずは日々のスキンケアを見直してみましょう。スキンケアの改善は、できてしまったほうれい線の進行抑制にもなります。
丁寧な洗顔とクレンジングを行う
古い角質やメイクが落としきれていないと、肌の生理機能が阻害されて保湿力の低下を招いてしまいます。そのため、洗顔とクレンジングは丁寧に行う必要があります。
クレンジングや洗顔はゴシゴシと肌を強くこすらず、やさしく行うのが基本。クレンジング剤は適量を手に取り、指の腹を使って、やさしくクルクルと撫でるようになじませます。洗顔料は清潔な手でよく泡立てて、肌の上で泡を転がすようにして汚れを落としましょう。
保湿をしっかりと行う
洗顔で汚れを落とした後は、化粧水や乳液、クリームなどのスキンケアアイテムを使って十分な保湿をしましょう。化粧水で水分や保湿成分を、乳液で水分、油分、保湿成分を補給します。スキンケアの最後はクリームを使用し、うるおいや成分を肌に閉じ込めます。
化粧水を塗る際は、コットンの使用がおすすめ。口のまわりなどのくぼんでいる部分にも均一にうるおいを与えやすくなります。スキンケアアイテムは、ヒアルロン酸やセラミドなど、保湿力のある成分が配合されたものを選びましょう。
【習慣】ほうれい線の予防方法
スキンケアだけではなく、日々の習慣を見直し・改善することでもほうれい線の予防ができます。日常生活の中で意識したい、ほうれい線予防になる習慣を紹介します。
1年を通して太陽光対策を行う
太陽光の影響による真皮のコラーゲンやエラスチンの変性、損傷を防ぐためにも、日やけ止めなどを使用して対策をしましょう。紫外線だけではなく近赤外線も肌に影響を与えるといわれているため、どちらもカットできる日やけ止めを選ぶのがおすすめです。特に日差しが厳しい夏場などは長袖の服や帽子、サングラス、日傘などを併用するとより効果的でしょう。
太陽光は季節や天候を問わず降り注いでいます。また室内で過ごしていても、窓から入り込んだ太陽光により日やけしてしまう場合があるので、天候や屋内屋外にかかわらず、1年を通して日やけ対策をすることが大切です。
表情筋を意識して動かす
表情筋を動かすことで、低下した皮膚や筋肉の機能回復・血行改善効果が期待できます。歯を見せたり口角を引き上げたりなど、笑顔を意識するだけでも口のまわりの表情筋が動きます。
口を「へ」の字にする、頬を膨らませる、頬をへこませる、口を突き出す、舌を出すなどの動作も鏡を見ながら行ってみましょう。
抗酸化作用を高める栄養素をとる
老化を促進させる活性酸素への対策も行いましょう。ストレスを溜めないだけではなく、食事にも注目するのがポイント。抗酸化作用を高める栄養素をとると、酸化の予防につながります。
<抗酸化作用を高める栄養素と豊富に含まれる食品>
- βカロチン:トマト・人参・ほうれん草 など
- ビタミンC:レモン・オレンジ・パプリカ など
- ビタミンE:うなぎ・大豆・かぼちゃ など
この他に、ココアや赤ワインに含まれるポリフェノールも代表的な抗酸化食品です。また、イワシやゴマ、海苔などに含まれる亜鉛や鉄、セレンといったミネラル類は抗酸化酵素の活性を助ける栄養素なので、併せてとるのがおすすめです。
ほうれい線を予防するマッサージ
マッサージで頬の筋肉を刺激したり、むくみをとったりすることも、ほうれい線予防につながります。自宅で簡単にできるセルフマッサージを紹介します。
【マッサージ1】
- 小鼻の横のほうれい線が始まる部分に中指の腹を置く。
- 少し圧を与えながら、左右10回ずつクルクルと円を描くように回す。
【マッサージ2】
- 両手を握り、指の第二関節を頬骨の下にあてる。
- 息を吐きながら頭を下げて、第二関節で頬骨を押し上げながら3秒間キープする。
- 3セットを繰り返す。
どちらも痛気持ち良いと感じるくらいの加減で行うのがポイントです。
まとめ
ほうれい線が気になると感じたら、スキンケアや習慣を見直してみましょう。早めにケアすることで、ほうれい線の進行を抑えることができます。手軽にできるマッサージも取り入れて、ハリのある口もとを手に入れてください。
大塚製薬の「インナーシグナル」は、年齢とともに気になりがちな肌のハリ不足や乾燥、キメの乱れをケアするスキンケアです。独自成分「エナジーシグナルAMP*」配合により、ターンオーバーを促すことでメラニンの蓄積をおさえてシミ・そばかすを防ぎます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。