角質とは? 角質の蓄積が招く肌悩みや改善へ導くスキンケアを紹介
角質とは肌表面を覆う皮膚細胞で、保湿機能やバリア機能によって肌を守る役割があります。しかし、ターンオーバーの乱れなどにより古い角質が蓄積すると、肌のくすみや乾燥、ごわつきの原因に。化粧のりも悪くなるので、日々のスキンケアで改善しましょう。角質の蓄積が招く肌悩みや、おすすめのスキンケアを紹介します。
角質とは
肌表面を覆う角質は、肌のうるおいを守るバリア機能を持っていますが、古い角質が蓄積するとごわつきの原因になります。古い角質による肌悩みを改善するためにも、角質の役割などについて知っておきましょう。
角質は肌表面を覆う皮膚細胞
角質とは表皮を構成する4層「角層(角質層)」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の中で、最も外側に位置する「角層」の皮膚細胞です。健康的な肌の角層の厚さは0.02ミリメートルで、水分は10〜20パーセントに保たれている状態。
角層では、細胞と細胞との間を角層細胞間脂質が満たしています。そして、保湿因子(NMF)やセラミドといった細胞間脂質がバランス良く存在することで、うるおいを保っています。
角質の主な役割
角質の主な役割は、外部の刺激から肌を守るバリア機能です。角層はセラミドや保湿因子(NMF)の働きにより、水分の蒸発を防いでいます。バリア機能が正常に働いていると肌は外部刺激から守られるため、水分保持が可能になり、乾燥や刺激による肌悩みを防ぐことができます。
角質とターンオーバーの関係
肌には、ターンオーバーと呼ばれる仕組みがあります。細胞の生まれ変わりの周期であるターンオーバーの働きにより、基底層で生まれた細胞は肌表面へと押し上げられ、古い角質となり、最終的に垢となってはがれ落ちます。しかし、ターンオーバーが乱れると古い角質が肌表面に蓄積し、さまざまな肌悩みを招く原因になります。
古い角質の蓄積につながるターンオーバーの乱れは、加齢や乾燥、生活習慣の乱れなどが原因。角質がはがれずに蓄積し、角層が厚くなった状態は「角質肥厚」と呼ばれます。
角質肥厚の原因や改善方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
古い角質の蓄積が招く肌悩み
ターンオーバーの遅れなどにより古い角質が蓄積すると、肌のくすみや乾燥などさまざまな肌悩みを招きます。どのような影響があるのか詳しくみていきましょう。
肌がくすんで見える
古い角質が蓄積すると、肌がくすんで見えやすくなります。先述したように健康的な肌の角層は、16〜20パーセントの水分を保持しています。しかしターンオーバーの遅れによって、角層が厚くなると水分保持力が低下。細胞は乾燥すると白く濁るため、どんよりと濁ったように見えてしまいます。顔色も悪く見えるので、疲れた印象を与えやすくなります。
肌が乾燥しやすくなりごわつく
古い角質がはがれ落ちずに蓄積すると、角層が厚くなり徐々に水分が蒸発してしまうため、肌が乾燥しやすくなります。乾燥によってごわつきやかさつきが気になったり、肌が赤くなったりします。
肌が敏感になる
古い角質の蓄積により肌の乾燥が進むと、バリア機能が低下します。紫外線や雑菌、ウイルスといった外部からの刺激に対する防御力が低下し、敏感肌になることも。敏感肌になると、健康な肌では何でもない刺激や物質にも過剰に反応し、肌あれやかゆみ、発疹、痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
古い角質による肌悩みを改善するスキンケア
古い角質による肌悩みを改善するために、丁寧な洗顔や保湿・ターンオーバーに着目したスキンケアを意識しましょう。また、日やけ対策を習慣化することも大切です。
丁寧に洗顔する
肌の汚れや古い角質を除去するために、朝晩必ず洗顔しましょう。洗顔するときは肌への刺激にならないよう、きめ細かい泡をたっぷりとつくり、やさしく丁寧に洗います。ゴシゴシと肌をこするように洗うと摩擦が生じ、角質が厚くなる原因につながるので注意が必要です。
<洗顔方法>
- 顔全体を軽く濡らす。
- きめ細かい泡をつくって顔全体に広げ、泡を手でころがすように洗う。
- 泡が残らないよう、32〜34℃のぬるま湯でしっかりと洗い流す。
保湿&ターンオーバーに着目したスキンケアを取り入れる
洗顔後は、肌の乾燥を防ぐためにも保湿ケアを徹底しましょう。肌に水分と油分をバランス良く補うことが大切です。化粧水では水分や保湿成分を、乳液では水分と油分、保湿成分を補給します。
化粧水や乳液は、ヒアルロン酸やセラミドといった高保湿成分が配合されたものを選ぶのがポイント。スキンケアの最後にクリームを使用し、うるおいや成分を閉じ込めます。また角質ケアには、肌のターンオーバーを促す美白成分が配合された美容液を取り入れるのもおすすめです。
肌のターンオーバーを促進させる方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
日やけ止めや日やけ止め下地を欠かさず塗る
太陽光によるダメージは、ターンオーバーを乱し、古い角質の蓄積を引き起こす原因の1つです。太陽光から肌を守ろうとして角層が厚くなることがあるため、日やけ止めや日やけ止め下地を使用して、しっかりと対策しましょう。
太陽光は一年中降り注いでいるので、季節や室内外を問わず対策が必要です。乾燥が気になる肌には、保湿成分が配合された日やけ止め、日やけ止め下地がおすすめです。さらに、帽子やサングラス、日傘を併用することで、より効果的に対策できます。
角質ケアの注意点
最後に、角質ケアの注意点も確認しておきましょう。肌への負担にならないよう、摩擦やピーリングの頻度に注意が必要です。
肌への摩擦に注意する
古い角質をしっかりと除去したいという思いから、洗顔やクレンジング、スキンケア時に力を入れすぎる人もいるでしょう。しかし、力の入れすぎは肌への摩擦になり、角層が厚くなる可能性があります。タオルで顔を拭くときも、ゴシゴシとこすらないよう注意が必要です。
ピーリングの頻度に注意する
角質ケアの方法の1つにピーリングがありますが、実施する際は頻度に注意しましょう。ピーリングは、肌表面の古い角質を除去することで得られる効果を利用した美容法です。薬剤やピーリング剤を用いて古い角質や角栓を取り除くことで、肌のごわつきやニキビの改善が期待できます。またターンオーバーも促進されるため、シミや小ジワの改善にも効果があるとされています。
ただしピーリングを頻繁に行うと、角層が過度に薄くなり、肌のバリア機能が弱まる可能性があります。その結果、肌が刺激を受けやすい状態になるので気を付けましょう。
ピーリングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
角質とは、バリア機能や肌のうるおいを保持するのに欠かせない役割を持つ皮膚細胞です。しかし、ターンオーバーの乱れによって古い角質が蓄積すると、くすみや乾燥、ごわつきといった肌悩みにつながります。古い角質をやさしくケアして、なめらかな肌を保ちましょう。
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*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。