ピーリングとは? 肌への効果や種類、施術後の注意点を解説
ピーリングとは、肌に薬剤などを塗布して古い角質を取り除く治療法・美容法のこと。シミやニキビといった肌悩みの治療に用いられる他、ターンオーバーを促進して透明感のあるなめらかな肌に導くなど、美容目的でも用いられます。ピーリングによって期待できる効果やピーリングの種類、ピーリング後の注意点について解説します。
ピーリングとは
ピーリングとは、肌表面に残っている古い角質をやわらかくして取り除く治療法・美容法のこと。古い角質を除去し、肌の新陳代謝を促進することで細胞の生まれ変わりの周期であるターンオーバーを促し、さまざまな肌悩みにアプローチするのが目的です。ターンオーバーが遅れると、肌のざらつきやシミといった肌悩みの原因になることも。
ピーリングは、肌にジェルやクリームなどを塗布し、皮膚をはがすことによって生じる効果を利用します。皮膚のさまざまな再生機構が働くため、新しい皮膚の生成が期待できます。
ピーリングで期待できる効果
ピーリングにより、シミやシワ、肌のざらつき、ニキビなどさまざまな肌悩みへの効果が期待できるといわれています。それぞれについて詳しくみていきましょう。
シミ・シワの改善(エイジングケア効果)
先述したようにピーリングにより古い角質が除去されるため、肌のターンオーバーが促されます。ターンオーバーが整っていると、シミやくすみ、小ジワの改善につながります。
シミのもとは、褐色の色素であるメラニン。ターンオーバーが正常であれば、メラニンは最終的に古い角質とともにはがれ落ちます。しかし、ターンオーバーが遅れると、メラニンが蓄積するためシミができやすくなります。
またターンオーバーが整っていると肌が新しい細胞で満たされるため、保湿力が高まり、乾燥小ジワができにくい状態に。ただしピーリングをおこなっても、深いシワには効果がないとされています。
肌のざらつきの改善
肌のざらつきの主な原因として、古い角質と皮脂が混ざって毛穴に詰まった角栓が挙げられます。ピーリングによって毛穴に詰まった角栓を取り除くことで、肌のざらつきが改善され、なめらかな肌に近づきます。
先で述べたように古くなった角質は通常、肌のターンオーバーによって自然にはがれ落ちます。しかし、ターンオーバーが乱れると古い角質がはがれ落ちずに蓄積し、肌がざらつきます。
ニキビの改善
ニキビは角栓により毛穴が詰まり、皮脂を栄養源とするアクネ菌が毛穴の中で繁殖し、炎症を起こすことが原因でできます。
ピーリングにより毛穴に詰まった古い角質や皮脂汚れが排出されるため、ニキビの改善が期待できます。またニキビができづらい状態に肌が整うのもポイントです。ただしニキビ痕への効果については、十分な根拠がないとされています。
ピーリングのデメリット
ピーリングによって皮膚の表面がはがされるため、肌は刺激を受けやすい状態になります。ピーリング直後は、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなったり、摩擦や太陽光のダメージを受けやすくなったりするので注意しましょう。
また使用する薬剤やピーリング剤が合わず、肌への刺激になったり、色素沈着を起こしたりする可能性があるのもデメリットです。
ピーリングの種類
ピーリングには、ケミカルピーリングやレーザーピーリングなどいくつかの種類があります。それぞれの特徴や注意点を紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、皮膚に薬剤を塗布し、皮膚をはがすことによって起こり得る効果を利用する治療方法です。薬剤を使用したケミカルピーリングは医療行為となるため、皮膚科などの医療機関で施術するのが一般的です。
ピーリング剤として、グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤、エタノール基剤)、トリクロロ酢酸(TCA)などが用いられます。肌の状態や悩みにより使用する薬剤が異なるため、医師の判断が必要です。美肌を目的としているものの他、皮膚の病気治療に用いられるものもあります。
レーザーピーリング
カーボンピーリングやマックスピーリングとも呼ばれるレーザーピーリング。顔全体に黒いカーボン粒子を塗り、レーザーを照射してカーボンと一緒に古い角質や毛穴の角栓を薄く償却・蒸発させる仕組みです。そのため、毛穴の開きやニキビの改善が期待できるといわれています。
こちらも、医療機関で医師のカウンセリングが必須です。また、アレルギー体質の人や照射線治療で肌にトラブルが起きやすい人は注意する必要があります。
AHA・酵素・スクラブなどを用いたピーリング
薬剤を塗布するケミカルピーリングやレーザーを照射するレーザーピーリングは、基本的に医療機関でしか施術できません。ただし、AHA(アルファハイドロキシ酸)を配合した化粧品を用いたピーリングは、エステサロンで施術されています。医療機関でのケミカルピーリングとは異なり、肌のざらつきなど表面の状態を整える、透明感を出す、ターンオーバーを促すなどの美容目的でおこなわれています。
また、AHAや古くなった角質をはがしやすくする酵素など、ピーリング成分が配合された市販の化粧品は、セルフケアに用いられています。これらは皮膚の浅い部分(角質層)までしか届かない濃度であるためリスクは少ないとされていますが、肌にトラブルがある場合や誤った使い方をした場合は、肌にダメージを与える可能性があります。
セルフケアに用いられる市販のピーリング化粧品には、スクラブで古い角質や汚れをこすって落とすものもあります。スクラブをこすりつける行為によって、必要以上に肌に負担をかける場合があるため注意しましょう。
ピーリング後の注意点
ピーリング後にも注意すべき点がいくつかあります。ピーリングを受ける前に確認しておきましょう。
しっかりと保湿する
ピーリングによって角質がはがされるため、バリア機能が低下します。肌のターンオーバーが整うまでは乾燥しやすい状態のため保湿が重要です。
保湿力の高い化粧水、乳液、クリームなどを使い、水分と油分をしっかりと補給して肌のうるおいを保ちましょう。セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸、コラーゲンなどの保湿成分を含んだスキンケアアイテムを取り入れるのがおすすめです。
肌への摩擦に気をつける
ピーリング後は肌が敏感になっている状態です。そのため、ゴシゴシ洗いをする、タオルで強くこするなど肌に摩擦を与える行為は避けます。クレンジングやマッサージなどの何気ない行為も、肌への刺激となるため気をつけましょう。
またメラニンは摩擦によっても増加し、色素沈着などの肌悩みにつながる可能性があります。
日やけ対策をする
ピーリング後は角質がはがされた状態のため、太陽光によるダメージを受けやすくなっています。太陽光のダメージは、シミやシワといったさまざまな肌悩みの原因です。そのため、季節や天候、屋内外を問わず日やけ止めや日やけ止め下地を使用するなど、念入りに日やけ対策をしましょう。
ピーリング後は肌が乾燥しやすいので、保湿成分配合の日やけ止めや日やけ止め下地がおすすめ。夏の外出時などは、帽子やサングラス、日傘なども併用してしっかりと対策すると効果的です。
ピーリングの頻度に注意する
肌の負担にならないよう、ピーリングをおこなう頻度に注意しましょう。先述したように、ピーリングは皮膚をはがすことによって起こり得る効果を利用する治療方法です。そのため、ピーリングの頻度を誤ると、健康な肌細胞もはがしてしまう可能性があります。
ピーリング成分が入った市販の化粧品の場合は、説明書などに書かれた頻度を守りましょう。またケミカルピーリングの場合は、医師に相談して指示に従います。
まとめ
ピーリングは、シミやニキビといった肌悩みの治療やターンオーバー促進を目的とした治療法・美容法です。さまざまな効果が期待できる一方、注意点も多く、またピーリングの薬剤や成分が肌に合わないこともあります。効果と注意点を押さえたうえで、ピーリングを受けるかどうか検討しましょう。
ターンオーバーを促進して健やかな肌を目指したいけれど、ピーリングは肌への負担が気になるという人は、ターンオーバーを促す美白美容液などのスキンケアアイテムを取り入れることからはじめてみてはいかがでしょうか。
大塚製薬の「インナーシグナル」は、独自の薬用有効成分「エナジーシグナルAMP*」を配合したスキンケアシリーズ。「エナジーシグナルAMP*」配合により、ターンオーバーを促すことでメラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぎます。またヒアルロン酸、スクワラン、セラミドなどの保湿成分も配合し、水分を抱え込みながら乾燥を防ぎます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。