肌悩み
公開日:2023.08.30
更新日:2023.09.20
シワやたるみの原因「光老化」とは? 普段から心がけたい対策・スキンケア
シワやたるみ、シミなどの年齢とともに気になる肌悩みの原因となるのが、太陽光のダメージによる「光老化」といわれるものです。健やかな肌を保つには、太陽光による肌へのダメージを最小限に抑えることが大切です。太陽光が肌に与える影響や、光老化から肌を守るために普段から取り組みたい対策、スキンケア方法を紹介します。
光老化とは
光老化とは、太陽光を浴びることで引き起こされる肌の老化現象のこと。光老化を引き起こす太陽光には、紫外線だけではなく近赤外線も含まれます。肌の老化の原因は光老化の他に、加齢による自然老化もあります。まずは、太陽光の影響による肌の変化や、光老化と自然老化の肌の違いについてみていきましょう。
太陽光の影響による皮膚の変化
光老化とは、長年浴びた太陽光によるダメージの蓄積により、肌にシワやたるみ、シミなどの老化のサインがあらわれることです。
光老化は、太陽光を浴びた時間と強さに比例します。10代の頃から肌の内部で光老化が始まり、20代後半〜30代頃になると肌表面に影響があらわれます。
太陽光のダメージは、細胞の遺伝子(DNA)に傷がついたり、皮膚の免疫力が低下したりする原因です。肌細胞のDNAに傷がついたまま修復されないと、メラニンを必要以上に作り出し、シミにつながります。
また太陽光を長い間浴び続けると肌が乾燥し、ダメージから肌を守ろうとターンオーバーを極端に早めることで、肌の機能が正常に保てなくなります。ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わる周期のこと。シミのもとになるメラニンは細胞に存在するため、太陽光のダメージによりメラニンが大量につくられても、ターンオーバーが正常であれば上へと押し上げられて最終的には古い角質とともに肌表面からはがれ落ちます。しかし、ターンオーバーが乱れると肌内部にメラニンが蓄積するため、シミやくすみの原因となってしまいます。
さらに太陽光を浴びた肌が赤くなって炎症を起こすと、活性酸素が発生。活性酸素は細胞を酸化させ、肌の老化を促進します。
光老化と自然老化の肌の違い
肌の老化の原因は、光老化(8割)と加齢による自然老化(2割)と言われています。光老化と自然老化には、以下のような違いがあります。
|
光老化 |
自然老化 |
状態 |
角質肥厚、シワ、たるみ、黄ぐすみ、褐色のシミ |
肌表面にちりめん状の細かなシワ |
原因 |
長年の太陽光ダメージの蓄積 |
加齢による肌機能の衰え、女性ホルモンの低下 |
見た目 |
ゴワゴワしている、深いシワやシミがある |
なめらかだが、ハリや弾力は失われている |
肌のキメ |
著しく変形 |
ほぼ正常 |
角質層の厚さ |
不均一 |
正常 |
メラニン産生 |
増える |
衰える |
コラーゲンの変化 |
繊維の太さが変化 |
繊維の太さがわずかに変化 |
光老化の原因になる太陽光の種類
光老化の原因になる太陽光には、近赤外線(IRA)、紫外線A波(UVA)、紫外線B波(UVB)があります。それぞれの特徴や肌への影響を解説します。
近赤外線(IRA)
近赤外線(IRA)は、肌の奥深くにある皮下組織まで浸透する性質をもっています。近年の研究では、コラーゲンやエラスチンを産生する線維芽細胞に対して影響を与え、シワやたるみにつながると指摘されています。地表に降り注ぐ近赤外線の量は、紫外線の約5倍。今後さらに、近赤外線への対策が求められると予想されています。
紫外線A波(UVA)
紫外線A波(UVA)は、ガラス越しや曇りの日でも降り注ぎ、皮膚の奥にある真皮まで届く太陽光です。肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、これらを作り出す線維芽細胞にも損傷を与えます。そうして真皮の力が弱まり、シワやたるみの原因に。大量に浴びるとDNAに傷がつき、皮膚の老化を早めてしまいます。
紫外線B波(UVB)
紫外線B波(UVB)は、肌が赤くなる日やけ(サンバーン)や、メラニン色素の沈着によりシミやそばかすを引き起こします。紫外線B波(UVB)のほとんどは表皮で吸収されますが、皮膚に対する刺激が強く、大量に浴びると免疫力の低下や皮膚ガンの原因になることもあるため、注意が必要です。
光老化を防ぐ太陽光対策
太陽光が強い時間の外出を控えたり、太陽光を防ぐアイテムを活用したりして、肌へのダメージを防ぎましょう。主な太陽光対策を紹介します。
太陽光が強い時間帯は外出を控える
太陽光が強い季節や時間帯の外出は控えましょう。夏のUVBの波照射量は冬の約5倍、UVAの照射量は約2倍です。1日における紫外線照射量は、正午をはさむ午前10時〜午後2時の時間帯が強く、夕方になるに連れUVBは真昼の約20パーセント、UVAは約40パーセントにまで減少します。紫外線の強い時期と時間帯を知り、太陽光をなるべく浴びないことが大切です。
日やけ止めをこまめに塗る
光老化を防ぐためには、日やけ止めを毎日こまめに塗ることが欠かせません。日やけ止めを選ぶときは、SPF値(UVBの防止効果)とPA値(UVAの防止効果)を確認しましょう。
SPF値やPA値が高くなると太陽光からの保護効果は高まりますが、肌への負担になることもあります。そのため、以下のように生活シーンで使い分けるのがおすすめです。
日やけ止めは摩擦や汗で落ちてしまうため、2〜3時間おきに塗り直しましょう。肌が乾燥するとムラになりやすいため、事前にしっかりと保湿するのも忘れないようにします。
日傘・帽子・サングラスなどを活用する
外出時は、日傘や帽子を使用したり、サングラスをかけたりして、太陽光に直接当たらないことも重要。
帽子であれば、太陽光をしっかりとカットできるつばの広い帽子がおすすめです。サングラスは顔にフィットし、紫外線防止効果がはっきりと示されたものを選ぶと良いでしょう。服は長袖や目が詰まっている生地のもの、紫外線の透過率が低くなる濃い色のものを取り入れると太陽光対策に効果的です。
快適さも重視しながら、無理のないアイテムを選びましょう。
光老化から肌を守るスキンケア
日やけをしたらアフターケアを行い、スキンケアで保湿したりターンオーバーを整えたりして、光老化から肌を守りましょう。太陽光ダメージから肌を回復させ、健やかな肌を守るためのスキンケア方法を紹介します。
日やけをしたら冷やす
日やけをして肌が赤く炎症を起こした場合は、なるべく早く冷たいタオルなどでやさしく冷やしましょう。赤みやほてりが落ち着いたら、消炎作用があるローションなどを丁寧に塗り、炎症を鎮めます。
しっかりと保湿する
光老化の影響でハリやうるおいが不足した肌には、しっかりと保湿して乾燥を防ぐことが大切です。洗顔後は化粧水で水分や保湿成分をいつもより多めに補います。次に、乳液で水分だけではなく油分も補い、肌をやわらかく整えます。
最後は、クリームで肌表面にフタをし、うるおいや美容成分を閉じ込めましょう。ポイントはクリームの前に乳液を使うこと。クリームがなじみやすくなり、うるおい効果が高まります。
ターンオーバーを促す美容成分を取り入れる
肌のシミやくすみ、シワなどの肌悩みには、ターンオーバーを促す美容成分でアプローチするのもおすすめです。先述したように、ターンオーバーが乱れるとシミやくすみの原因になります。
まとめ
光老化は加齢による自然老化以上に肌へのダメージが大きく、シミやシワ、たるみの原因となります。1年を通して太陽光から肌を守る対策・ケアを意識しましょう。健やかな肌を保つために、保湿やターンオーバーを促すスキンケアを取り入れるのもおすすめです。紹介した方法を参考に、若々しい肌づくりを目指してください。
大塚製薬の「インナーシグナル」は、独自の有効成分「エナジーシグナルAMP*」を配合したスキンケアシリーズ。新しい細胞を生む母細胞のエネルギー代謝を高めることで、健やかなターンオーバーに整え、メラニンの蓄積をおさえて、しみ・そばかすを防ぎます。ぷるんと弾むようなハリとうるおいのある、キメの整った美しい肌へと導きます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。