肌のごわつきをどうにかしたい! 原因や予防・対策を解説
肌のごわつきを感じるときは、「角質肥厚(かくしつひこう)」を起こしているかもしれません。乾燥のほか、紫外線、加齢などにより肌のターンオーバーが乱れると、肌の古い角質がはがれ落ちずに蓄積し、角質層が厚くなります。肌がごわつく原因や予防・対策を、肌のターンオーバーに着目して紹介します。
ごわつきを感じる肌状態とは?
肌のごわつきの元になる「角質肥厚」とは、本来はがれ落ちるはずの表面の古い角質が蓄積している状態をいいます。
皮膚の最も外側にある表皮は、上から角質層・顆粒層・有棘(ゆうきょく)層・基底層から成り立っており、一定の周期で古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わっています。この細胞の生まれ変わりは肌のターンオーバーと呼ばれ、約30日*の周期が理想です。
肌のターンオーバーが乱れると古い角質がはがれ落ちにくくなり、蓄積して角質層が厚くなります。これによって肌のごわつきが生じ、以下のような肌悩みが出やすくなります。
- 肌がざらざらする
- しなやかさがなくなる
- 肌がくすんで見える
- かさつきを感じる
- 毛穴が詰まりやすい
「角質肥厚」の原因やケア方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
肌のごわつきの原因
先述したように、肌のごわつきの元になる「角質肥厚」は、主にターンオーバーの乱れによって引き起こされます。そのため、ターンオーバーが乱れる原因を押さえておくことが、肌のごわつき予防・対策につながります。また乾燥も肌がごわつく原因の1つです。
1. 乾燥
健康な肌の角質層は、NMF(天然保湿因子)や細胞間脂質などの保湿成分がバランス良く存在し、角質層の水分量が10〜20パーセントに保たれています。しかし気温や湿度の低下、保湿ケア不足などによって水分量が減ると、肌は乾燥して硬くなり、ごわつきを感じるようになります。特に秋から冬にかけては皮脂や汗の分泌量が減少し、肌を守っている皮脂膜がつくられにくくなるため注意が必要です。
また乾燥により肌が刺激を受けやすくなったり水分不足になったりすると、ターンオーバーの乱れにつながります。ターンオーバーが乱れると角質層が厚くなるうえに、時間が経つほどに水分が保てなくなり、乾燥しやすくなります。
乾燥した肌の角質層は、紫外線や外気の乾燥などの外部刺激から肌を守る「バリア機能」が低下。ますます乾燥・ごわつきが進む悪循環を招くことがあります。
2. 摩擦
同じ刺激を繰り返し受けると、肌は刺激から肌内部を守るために角質層を厚くします。日々の洗顔やクレンジングでも摩擦が生じ、肌を傷付ける可能性があるため注意が必要です。また摩擦は色素沈着の原因にもなります。
3. 紫外線
紫外線を浴び続けると、ダメージから肌を守ろうとして角質層が厚くなり、肌がごわつきます。また紫外線の刺激もターンオーバーを乱す原因の一つです。
4. 加齢
加齢とともに代謝エネルギーが低下し、肌のターンオーバーは遅くなります。古い角質がはがれ落ちずに蓄積し、肌がごわつく原因になります。
5. 冷え
冷えにより血管が収縮すると血行が悪くなります。すると細胞に酸素や栄養が行き届きにくくなり、ターンオーバーの遅れにつながります。
6. 生活習慣の乱れ
眠不足や運動不足、食生活の乱れ(栄養不足や栄養バランスの偏り)ストレスも、ターンオーバーの遅れる原因に。角質が厚くなり肌のごわつきにつながります。
肌のごわつきの予防・対策
肌がごわつく原因を踏まえ、予防・対策に取り組みましょう。スキンケアや生活習慣を見直すことが大切です。
スキンケア時は保湿を意識する
肌の乾燥を防ぐためにも、洗顔後は水分と油分をバランス良く補いましょう。セラミドやヒアルロン酸といった高保湿成分が配合された化粧水や乳液の使用がおすすめ。スキンケアの最後にふたをするように、クリームをプラスするのも効果的です。
また、ターンオーバーの遅れに着目したスキンケアアイテムを取り入れてみるのもよいでしょう。
大塚製薬の「インナーシグナル」は、水分をたっぷり抱え込む肌に導き、ハリ不足や乾燥、キメの乱れなどの肌悩みをケアするスキンケアシリーズ。独自成分「エナジーシグナルAMP*」配合により、ターンオーバーを促しメラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぎます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
やさしく洗顔する
ごしごしと肌をこするような洗顔では摩擦が生じ、肌がごわつく原因になります。
洗顔料を泡立ててきめ細かい泡をつくり、やさしくなでるように洗顔をすれば、摩擦が起こりにくいでしょう。泡立っていないまま洗顔をすると摩擦が生じやすくなるので、しっかりと泡立てることを意識します。
また刺激が少なく、肌にやさしい洗顔料を選ぶのもポイントです。
- 顔全体を軽く濡らす。
- きめ細かい泡をつくって顔全体に広げ、泡を手でころがすように洗う。
- 泡が残らないよう、32〜34℃のぬるま湯でしっかりと洗い流す。
より詳しい洗顔方法は、こちらの記事で紹介しています。
日やけ対策を欠かさない
日やけ止めや日傘、帽子、サングラスなどのアイテムを使って日やけ対策をしましょう。日やけ止めは紫外線だけではなく、近赤外線もブロックできるものがおすすめです。近赤外線は太陽光に含まれており、紫外線とともに肌にダメージを与えます。
太陽光は1年中降り注いでいるので、季節や天気はもちろん室内外を問わず対策が必要です。室内にいても窓から入り込んだ太陽光を浴びる可能性があります。
乾燥が気になる肌には、保湿成分配合の日やけ止めを塗ると良いでしょう。
睡眠や食生活などの生活習慣を見直す
ごわつきのない健やかな肌をつくるためにも、十分な睡眠をとりましょう。睡眠時は、ターンオーバーを促すとされる成長ホルモンが分泌されます。最適な睡眠時間は人それぞれなので、日中に眠くならない睡眠時間を確保してみてください。
食生活においては、5大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランスよくとることが基本です。そのうえで、肌に良い栄養素を含む食材を意識的に摂取するのもよいでしょう。
肌に良い栄養素 |
はたらき |
多く含まれる食材 |
ビタミンA |
皮膚・粘膜の健康維持 |
レバー、ウナギ、ニンジン、ほうれん草、モロヘイヤ など |
ビタミンB2 |
皮膚の細胞の再生を助ける |
肉の肝臓全般、ウナギ、卵、納豆 など |
ビタミンB6 |
皮膚の抵抗力増進 |
赤身肉、鶏肉、マグロ、牛レバー、カツオ など |
ビタミンC |
皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必要 |
レモン、オレンジ、パプリカ、いちご、ブロッコリー など |
まとめ
肌のごわつきの主な原因は、ターンオーバーの乱れによって引き起こされる角質肥厚や乾燥によるものです。肌のうるおいを保ちターンオーバーを整えるスキンケアや生活習慣を取り入れて、肌のごわつきを予防・対策することが大切です。毎日のケアで、ごわつきのない健やかな肌を手に入れましょう。
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。