スキンケア
公開日：2023.03.30
更新日：2024.08.15
肌のキメを整える方法とは？美肌につながるスキンケアのポイント
うるおいでふっくらとしており、シワなどの凹凸がない"キメの整った肌"に憧れる人も多いでしょう。さまざまな原因で肌のキメが乱れていても、日ごろのスキンケアや生活習慣を意識することで肌の状態は改善できます。肌のキメが乱れる原因や肌のキメを整える方法、スキンケアのコツなどを紹介します。
肌のキメを整えるとは？
肌のキメとは、皮膚の表面にある無数の細かいくぼみと高まりのことを指し、若々しくハリのある肌を「キメが整った肌」などと表現します。正常なターンオーバーによって古い細胞が蓄積することなく、十分な保湿によりふっくらとした肌は、キメも細かく健康的できれいに見えます。まずは、肌のキメとは何か、また、キメを整えるとどのような状態になるのかを紹介します。
キメとは肌表面の凸凹のこと
肌のキメとは、皮膚の表面にある無数の細かいくぼみと高まりのこと。くぼみの部分を皮溝、盛り上がった部分を皮丘と呼びます。皮溝の幅が狭く・浅く、皮丘も平らで揃っている状態を「肌のキメが細かい」と表現します。
肌のキメは、肌表面だけではなく内部の状態によっても変化するのが特徴です。ターンオーバーが正常で保湿が十分に行われていれば、キメの整ったふっくらとした肌に、逆にターンオーバーが乱れ保湿が十分ではない場合は、キメの乱れた不健康な肌になります。
肌のキメを整えることは美肌へのカギ
肌のキメの状態は、肌の見た目を左右する条件の1つです。先述したように、肌表面の凸凹が均一に並んだキメが整った状態は、ターンオーバーや保湿の状態が良好であると言えます。ふっくらと弾力のある肌はシワや毛穴が目立ちにくく、またターンオーバーも正常であるためシミなども目立ちにくくなります。
一方キメが粗い肌は弾力がなく、毛穴やシミ、シワなどが目立ちやすくなります。また、保湿が十分ではないため、肌のバリア機能が低下し、肌荒れなどの肌悩みにつながるおそれも。このように肌のキメを整えることは、美肌につながると言えるでしょう。
肌のキメが乱れる3つの原因
キメが整った美しい肌を目指すために、キメが乱れる原因を押さえておきましょう。日頃の何気ない行動が、肌のキメに影響しているかもしれません。
1. 加齢によるターンオーバーの乱れ
加齢により肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面からはがれ落ちずに蓄積し、キメが乱れ肌もくすんで見えてしまいます。
ターンオーバーとは、古い肌細胞から新しい肌細胞に入れ替わる周期のことです。正常なターンオーバーの周期は約30日間*。基底細胞から新しい細胞が生まれ、肌表面の角質層ではがれ落ちるまでを1周期と数えます。
ターンオーバーが乱れる原因の1つは加齢です。加齢により基底細胞の働きが低下するとターンオーバーが遅れてしまいます。
2. 肌の乾燥
先述した加齢の他、気温や湿度の低下により角質層の水分や油分が減少することでも、肌は乾燥してしまいます。20代後半〜30代頃から徐々に肌の水分と油分のバランスが崩れ、40代になると水分・油分ともに急激に減少し、乾燥しやすくなります。
乾燥は、肌のバリア機能が低下しうるおいを保てなくなったり、ターンオーバーを遅らせてしまったりする原因になりかねません。また肌の老化を促進させ、しわやたるみを引き起こす原因となる可能性もあります。
そのため肌表面だけではなく、内部まで水分を補うことが大切です。
3. 肌への刺激
太陽光や洗顔時の摩擦、暖房や冷房といったさまざまな刺激も、肌のキメが乱れる原因になります。例えば日やけを繰り返すことで、肌にハリを与える繊維成分が変化し、シワやたるみの原因となってしまいます。
さらに乾燥などで肌のバリア機能が低下していると、これらの刺激に肌がより敏感になり、キメの乱れにつながることもあります。
肌のキメを整える方法
肌のキメを整えるには、日々のスキンケアや生活習慣の見直しなど、体の外側・内側の両方から改善していくことが大切です。キメの整った美肌を目指して、できることから取り入れてみてはいかがでしょうか。
丁寧なスキンケアを意識する
まずは日々のスキンケアを見直してみましょう。スキンケアの際に意識するポイントは以下の通りです。
＜スキンケアのポイント＞
- クレンジングは肌をこすらないように優しくなじませ、洗顔は手のひらで濃密な泡をつくって優しく洗い上げる。
- 化粧水はコットンを使い、うるおいを均一に与えるよう意識する。
- 乳液は肌に点状におき、中心から外側に向かって伸ばす。乾燥が気になる部分には重ねづけをする。
- スキンケアの最後にクリームを使用し、肌にうるおいや補給した成分を閉じ込める。
その他、肌のターンオーバーを整えるアイテムを取り入れると、肌細胞の生まれ変わりが促進され、キメの整ったふっくらとした肌により近づくでしょう。
生活習慣を見直す
キメの整った美肌を目指すためには、運動・食事・睡眠といった日常生活の習慣を見直し、意識することも大切です。
適度な運動習慣は美肌につながります。なかでも有酸素運動は、全身の血行を促進し、ターンオーバーを整えると言われています。
また、健康的な食生活も意識すると良いでしょう。美肌に欠かせないビタミンを積極的に摂ることに加え、肌の老化を引き起こす糖化を防ぐため、炭水化物や糖質の摂りすぎに注意します。
さらに、質の良い睡眠をとることも肌にとって重要です。睡眠不足は、肌のターンオーバーを促すとされる成長ホルモンの分泌や自律神経のバランスに大きな影響を与えます。軽い運動や入浴で体を温める、好きな音楽を聞いてリラックスする、寝る直前は画面からブルーライトを発するパソコンやスマートフォンの使用を控えるなど、しっかりと深く眠れるよう寝る前の過ごし方を見直してみましょう。
肌のキメを整えるスキンケアのコツ
肌のキメを整えるためには、保湿・エイジングケア・日やけ対策の3つを重視したスキンケアが重要です。最後に、理想の肌に近づくためのスキンケアのコツを紹介します。
保湿を心がける
ターンオーバーの低下によるキメの乱れを招かないためにも、十分な保湿を心がけましょう。
保湿成分は、分子の大きさによって役割が異なります。ヒアルロン酸やリン脂質ポリマーなど大きな分子は肌表面のうるおいを保ち、グリセリンや浸透型グルコースなどの小さな分子は、角質層までうるおいを届ける役割をもちます。これらをどちらもしっかりと与え、肌内部の角質層からうるおわせることを意識しましょう。
エイジングケアを取り入れる
加齢によるターンオーバーの遅れが原因でキメが乱れている場合は、エイジングケアも必要です。45歳前後になると、女性ホルモンの分泌が急激に減少し、コラーゲンの生成や新陳代謝が低下してしまいます。
また日やけや乾燥などの刺激が原因となり、肌の老化を引き起こしている場合もあります。加齢でターンオーバーが乱れている場合は、ターンオーバーを整えるスキンケア用品を取り入れると良いでしょう。
日やけ対策をする
肌のキメを整えるために、日やけ対策も欠かさないようにしましょう。紫外線や近赤外線が含まれている太陽光を浴びると、肌の乾燥を引き起こしてしまいます。また、太陽光は肌細胞を傷つけ、しわやシミ・たるみなどを引き起こす可能性も。
肌負担が少なく、保湿成分が配合された日やけ止めをムラなく塗り、日やけ対策を行いましょう。太陽光は季節や天気、屋内・屋外にかかわらず降り注いでいるため、屋内でも日焼け止めを塗るなどの注意が必要です。
まとめ
肌のキメとは肌表面にある細かい凹凸を指し、見た目の印象を左右します。キメを整えるためにはターンオーバーを正常化し、乾燥や外的刺激から肌を守ることが大切です。普段のスキンケアや生活習慣の見直し・改善を意識して、キメの整った理想の肌へと近づきましょう。
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大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。