プラセンタエキスの効果とは? プラセンタの種類や取り入れ方・注意点を解説
プラセンタエキスとは、主に哺乳類の胎盤から抽出した成分のこと。美容効果が期待できることから化粧品にも使用されています。プラセンタエキスの種類や効果、取り入れ方、注意点などを紹介します。あわせて、プラセンタエキスと同じく保湿効果や美白効果が期待できる美容成分についてもチェックしてきましょう。
プラセンタエキスとは
プラセンタエキスの「プラセンタ」の直訳は「胎盤」です。ヒトや動物など哺乳類の胎盤にはアミノ酸、ビタミン、ミネラルを始めとする栄養素や成長因子が豊富に含まれています。
プラセンタエキスは、プラセンタを酵素分解、塩素分解などの方法で分解・抽出して得られる液体・ペーストを加熱殺菌したもの。肌の保湿・美白効果に加え、更年期障害の改善といった健康面での効果も期待できるとされ、化粧品の他にも医薬品やサプリメントなど幅広く利用されています。
プラセンタエキスの種類
プラセンタエキスは豚や馬などの動物由来のものがほとんどですが、他にも種類があります。それぞれの種類の特徴を見ていきましょう。
動物性由来
プラセンタエキスはほとんどが動物由来のもの。牛由来のものは厚生労働省が禁止しているため、サプリメントやドリンク、化粧品などに用いられるのは、豚や馬由来のものが主です。
ヒト由来のプラセンタエキスも存在しますが、薬機法によって化粧品や食品への使用は禁止されています。ただし、医療用や美容形成用として使用されることがあります。
植物性・海洋性由来
植物類や魚類には胎盤がありません。しかし、植物の胎座から抽出した成分を使用した植物性プラセンタエキス様物質や、魚の卵巣膜を使用した海洋性プラセンタエキス様物質と呼ばれるものが存在します。しかし、これらには成長因子が含まれていないため、動物性由来のプラセンタエキスとは別物といえるでしょう。
【美容】プラセンタエキスの効果
栄養素や成長因子を豊富に含む動物性のプラセンタエキスは、美肌・美白といったさまざまな美容効果が期待できます。プラセンタエキスの主な美容効果を紹介します。
肌にハリをもたらす
動物性プラセンタエキスに含まれる成長因子は、肌細胞の修復や再生をサポートするといわれています。コラーゲンやエラスチンなどが増加し、肌にハリをもたらす効果が期待できます。
肌の保湿力アップ
プラセンタエキスに含まれる成長因子やアミノ酸は、肌の水分保持を助けます。それにより、肌の乾燥改善やシワの改善が期待できます。
美白効果
プラセンタエキスには、メラニン色素をつくるチロシナーゼを抑制するはたらきがあります。また、メラニン色素生成の初期段階で酸化を抑制するとともに、できてしまったメラニン色素の色を薄くする還元作用もあります。シミの予防になるため、美白効果が期待できるでしょう。
抗酸化作用
プラセンタエキスには、過剰な活性酸素を抑制する抗酸化作用があります。肌内部で活性酸素が増えると、深いシワやたるみができやすくなる原因に。プラセンタエキスの抗酸化作用は、シワやたるみの改善につながります。
抗炎症作用
プラセンタエキスには、炎症を抑えて細胞を修復するはたらきもあります。ニキビの改善や炎症によるかゆみなどを抑える効果が期待できるでしょう。
【健康】プラセンタエキスの効果
医薬品としても用いられるプラセンタエキスは、健康面でも効果が期待できるとされています。
<主な健康効果>
- 肝機能の強化・修復
- 疲労回復効果
- 更年期障害の改善
- 自律神経を整える
日本では、更年期障害や乳汁分泌不全に効果が期待できる医薬品や、慢性肝疾患における肝機能の改善に効果が期待できる医薬品にプラセンタエキスが用いられています。
プラセンタエキスの取り入れ方・注意点
美容にも健康にも効果が期待できるプラセンタエキスは、スキンケア用品の使用の他、経口摂取や注射によっても取り入れられます。それぞれの取り入れ方を注意点とともに紹介します。
スキンケア用品で取り入れる
プラセンタエキス配合のスキンケア用品を肌に塗ることで効果が得られます。肌の乾燥やシミ、シワの改善といったプラセンタエキスの美容効果は、そのほとんどがスキンケアで取り入れる際に期待されるものです。
経口摂取する
プラセンタエキスを配合したドリンクやサプリメントを摂取する方法もあります。口から摂取するものなので品質にもこだわりましょう。プラセンタエキスのもととなる豚や馬が衛生的な環境で飼育されているかなどを確認してみてください。
<注意点>
人によってはアレルギー症状が起こる可能性がある。
注射で投与する
プラセンタエキスを注射で投与する方法もあります。医療機関では更年期障害や肝機能の改善などにプラセンタ注射が用いられています。注射は医療行為になるため、病院やクリニックでの投与が必要です。
<注意点>
ヒト由来のプラセンタを注射すると献血ができなくなる。
※美容ドリンク・サプリメントなどの経口摂取は献血に影響しない。
プラセンタエキスとあわせて注目したい美容成分
プラセンタエキス以外にも、肌の保湿や美白などに効果的な美容成分をチェックしておきましょう。
<保湿成分>
スクワラン/セラミド/ヒアルロン酸 など
特にヒアルロン酸は1グラムに対して約6リットルもの水分を保持するという高い保水能力を持っています。肌なじみが良く、べたつきにくいのが特徴です。
<美白成分>
ビタミンC/エナジーシグナルAMP* など
ビタミンCはプラセンタエキスと同様にメラニン色素還元に有効。「エナジーシグナルAMP*」は、大塚製薬独自の有効成分です。肌のターンオーバーを促すことでメラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぎます。
大塚製薬のスキンケア「インナーシグナル」の美容液やオールインワンにはこの「エナジーシグナルAMP*」が配合されており、毎日のお手入れでクリアな肌へとみちびきます。美白を目指す方は、プラセンタエキスとともに「エナジーシグナルAMP*」にも注目してみてください。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
まとめ
さまざまな美容効果があるとして注目されているプラセンタエキス。美肌を目指すのであれば、豚や馬由来の動物性プラセンタエキスが配合されたスキンケア用品や美容ドリンク・サプリメントなどを取り入れてみてはいかがでしょうか? 取り入れる際の注意点や、似た効果が期待できる美容成分などもチェックしながら、プラセンタエキスを上手に活用しましょう。
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。