シミ対策
公開日:2024.05.30
更新日:2024.08.15
シミのメカニズムと原因をわかりやすく解説|日々のケアでシミ対策
シミ対策を始めようと思っているのであれば、まずはシミのメカニズムを知っておくことが大切です。シミができる仕組みや原因を理解すれば、自分の肌に合ったシミ対策を取り入れやすくなるでしょう。シミのメカニズムを踏まえた、スキンケアと生活習慣によるシミ対策を紹介します。
シミのメカニズム
まずはシミのメカニズムを押さえておきましょう。シミとは何か、どういった仕組みでできるのかを把握すれば、シミの原因や対策が見えてきます。
そもそもシミとは?
シミのもとはメラニンと呼ばれる褐色の色素です。メラニンは表皮の奥底(基底層)に散在しているメラノサイトという細胞により生成されます。褐色の色素は黒い日傘と同じように紫外線ダメージを吸収する働きがあります。
そのため、紫外線を浴びると肌は、メラニンを過剰に生成させて細胞の上に日傘のように並び、大切な遺伝子が傷つくのを守っています。しかし、紫外線や加齢、女性ホルモンのバランスなどの影響を受け、メラニンの生成と排出のバランスが崩れるとメラニンが蓄積します。
蓄積したメラニンが皮膚に色素沈着した状態がシミです。シミがあると、肌が部分的に茶色に見えたり、肌に色むらが生じてくすんで見えたりします。
シミができる仕組み
紫外線を浴びると、表皮の細胞がメラニン生成に関わる情報伝達物質をつくります。情報伝達物質を受け取ることでメラノサイトが活性化し、メラニンが過剰生成されます。メラニンはもともと無色透明ですが、チロシナーゼという酵素が働きかけ反応を繰り返すことで、褐色に。
健康な肌であれば、メラニンが過剰生成されてもターンオーバーによって肌表面へと押し上げられ、最終的には古い角質とともにはがれ落ちます。ターンオーバーとは肌の生まれ変わりの周期のこと。健康な肌であれば約30日*周期ですが、加齢などによりターンオーバーが遅れると、メラニンの排出が滞って蓄積・色素沈着し、シミになります。
シミができる主な原因
シミは主に、メラニンの過剰生成やターンオーバーの乱れの影響を受けることで生じます。シミができる原因を押さえ、対策に活かしましょう。
紫外線
先述したように、紫外線を大量に浴びるとメラニンが過剰に生成され、シミの原因になります。また紫外線により肌がダメージを受けると、皮膚の免疫力が低下したり、細胞の遺伝子をもつDNAが傷ついたりします。メラニンをつくる細胞のDNAに傷がついたまま修復されなければ、メラニンが必要以上につくりだされることも。
さらに、紫外線を長い間浴び続けることによって起こる肌の乾燥にも注意が必要です。肌は乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線がダイレクトに肌奥まで届きダメージを受けやすくなります。また、乾燥のダメージから肌を守ろうとターンオーバーが早まり、肌の機能を正常に保てなくなる場合があります。
活性酸素
紫外線やタバコ、ストレスなどが原因で活性酸素が発生します。活性酸素とは、体内に取り込まれた酸素の一部が他の物質と反応しやすい状態に変化したもの。活性酸素が発生すると細胞の酸化を防ぐためにチロシナーゼが活性化し、メラニンが過剰に生成されることでシミが発生しやすくなります。
加齢
加齢により、本来肌が持っている機能が低下すると、肌の代謝機能も低下します。これによりターンオーバーが遅くなり、メラニンの排出も滞るため、蓄積・色素沈着が起こり、シミにつながります。
女性ホルモンの乱れ
女性ホルモンのバランスが乱れると、メラニンの生成が高まり、色素沈着が生じます。女性ホルモンが乱れる原因は、妊娠や出産、更年期、ピルの服用など。女性ホルモンの減少により、肌のターンオーバーが遅れたり、乱れたりすることもあります。
摩擦
慢性的な摩擦が原因でメラニンが増加し、シミになることもあります。ナイロンタオルやフェイスタオルでゴシゴシと肌をこすったり、マッサージやクレンジングの際に力を入れすぎたりすると慢性的な摩擦につながります。
炎症
アレルギーや強い刺激となる成分を含む化粧品や植物、家庭用品などに含まれる物質が肌に合わないと、皮膚が炎症を起こします。そして炎症がおさまったあと、色素沈着によるシミが生じることがあります。
【スキンケア】シミのメカニズムを踏まえた対策
ここからは、日々のルーティンとして取り入れたいシミ対策を紹介します。まずは、スキンケアからみていきましょう。
肌の汚れを落としてしっかりと保湿する
古い角質の蓄積はターンオーバーの妨げになるため、朝晩1日2回の丁寧な洗顔で肌の汚れと不要な角質を落としましょう。
<洗顔方法>
- 肌にやさしい洗顔料でキメの細かい弾力のある泡をつくる。
- 泡をころがすようにやさしく洗う。
- 水またはぬるま湯で丁寧に洗い流す。
肌を摩擦するとシミの原因になるため、やさしくなでるように洗うのがポイントです。より詳しい洗顔方法は、こちらの記事で紹介しています。
洗顔後の保湿も大切です。肌の乾燥により肌を守るバリア機能が低下すると、太陽光や摩擦によるダメージを受けやすくなります。化粧水・乳液・クリームなどを使用して、肌に水分と油分をバランス良く補いましょう。
美白成分配合のスキンケアを取り入れる
先述したように、メラニンの過剰生成や蓄積がシミの原因になります。メラニンの生成や蓄積を抑える成分が配合された美容液などを、いつものスキンケアにプラスしてみましょう。
<メラニンの生成を抑える成分>
ビタミンC誘導体
カモミラET
アルブチン
コウジ酸
リノール酸 など
<メラニンの蓄積を抑える成分>
エナジーシグナルAMP*
シミとターンオーバーの関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
日やけ対策で紫外線から肌を守る
日やけ対策をして紫外線から肌を守ることは、シミ予防になります。日やけ止めや日焼け止め下地を毎日欠かさず塗るのが、日やけ対策の基本。太陽光は季節や天気に関係なく降り注いでいるので、365日対策が必要です。
また、室内にいても窓などから太陽光を浴びるので、外出しない日も日やけ止めを塗りましょう。特に日差しが強い夏の外出時は、日傘や帽子、UVカット効果のあるサングラス、長袖の服などを併用するのがおすすめです。
日やけ止めの塗り方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
【生活習慣】シミのメカニズムを踏まえた対策
食事・睡眠・運動といった生活習慣を見直すことも、シミ対策に欠かせません。内側からもしっかりとケアしましょう。
バランスのとれた食事を意識する
健やかな肌を保つには、バランスのとれた食事を意識することが大切です。シミを予防したい人は、酸化防止やメラニン分解効果がある「ビタミンC」、活性酵素を中和して新陳代謝を活性化する「ビタミンE」を積極的に摂取しましょう。肌に良い栄養素は以下の通りです。
栄養素 |
働き |
含まれる食べ物 |
タンパク質 |
皮膚の細胞を作る |
卵・大豆製品・乳製品 など |
ビタミンA |
抗酸化作用がある |
レバー・卵黄・緑黄色野菜 など |
ビタミンC |
コラーゲンの合成に必要 |
赤パプリカ・ブロッコリー・キウイ など |
ビタミンE |
血行を促進する |
アーモンド、植物油 など |
ビタミンB群 |
皮膚や粘膜の再生に関わる |
レバー・ウナギ・マグロ など |
※過剰摂取は副作用を引き起こす可能性があるため、栄養が偏らないよう注意しましょう。
十分な睡眠をとる
睡眠中には、肌のターンオーバーを促すとされる成長ホルモンが分泌されます。そのため、十分な睡眠は健やかな肌のために重要です。十分な睡眠をとるポイントを取り入れてみましょう。
【十分な睡眠をとるポイント】
- 朝日を浴びて体内時計をリセットする。
- 就寝の1〜2時間前に入浴をする(40度のお風呂に15分程度)。
- 就寝前はカフェインの摂取やスマートフォン・PCの使用を控える。
適度な運動を習慣化する
適度な運動は代謝アップや血流改善、ストレス解消につながるため、健やかな肌を目指すためにも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。おすすめは、軽く汗をかく程度の有酸素運動。1回30分以上、週2回以上の運動を習慣化することがポイントです。
まとめ
肌のシミが気になり始めたら、まずはシミのメカニズムや原因を押さえておきましょう。メカニズムや原因がわかれば、シミ対策に役立ちます。スキンケアと生活習慣の両方のシミ対策を継続して、健やかな美肌を手に入れてください。
シミ対策として美白化粧品を取り入れるなら、大塚製薬の「インナーシグナル」がおすすめです。「インナーシグナル」は、独自の美白薬用有効成分「エナジーシグナルAMP*」配合のスキンケアシリーズ。ターンオーバーを促すことでメラニンの蓄積をおさえ、しみを防ぎます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。