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エイジングケア

公開日:2023.06.30 更新日:2023.08.09

「糖化」が肌の老化を招く? 原因や対策を知って若々しい肌をキープしよう

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糖質とタンパク質の結合により起こる糖化。糖化は肌にさまざまな影響を与え、近年では肌の老化の原因のひとつとして注目されています。若々しく健やかな肌を保つためには、糖化の原因を知り対策することが大切です。肌の糖化によって起こる肌悩みや、糖化の原因・対策を紹介します。

肌の老化を引き起こす「糖化」とは

糖化のイメージ図
糖化とは、食事などで摂取した糖質が体内のタンパク質と結合すること。糖化により、体内に老化物質であるAGEs(エージーイー)が生成されます。
肌においては、真皮にあるタンパク質と糖質が結び付きAGEsがつくられることで、さまざまな影響が出ます。

糖化が引き起こす肌悩み

さまざまな肌悩みが気になる女性
肌の糖化によって生成されたAGEsが蓄積すると、さまざまな肌悩みが引き起こされます。主な肌悩みを見ていきましょう。

シワやたるみ

肌の真皮には、コラーゲン(膠原線維:こうげんせんい)とエラスチン(弾力線維)というタンパク質が網目のように張り巡らされています。その間をヒアルロン酸などが満たし、皮膚にハリと弾力を与えています。
コラーゲンとエラスチンは、糖化の影響を受けやすいタンパク質。糖化によりコラーゲンとエラスチンは、無秩序な架橋を形成することで硬化します。そのためコラーゲンとエラスチンの糖化はハリと弾力が低下する要因となり、シワやたるみがあらわれます。

シミやくすみ

糖化の最終生産物であるAGEsは、褐色を帯びています。そのため、糖化が起こると皮膚が黄色化し、肌のくすみなどの原因に。また肌にAGEsが蓄積するとターンオーバーの機能が損なわれます。
ターンオーバーとは、肌の生まれ変わりの周期のこと。ターンオーバーが遅れると、メラニン色素を含む古い細胞が排出されずに肌の表面に蓄積され、シミやくすみの原因になります。

肌の乾燥

糖化によりコラーゲンが変性すると、肌の毛細血管の機能が低下。栄養が肌に行き届きにくくなり、ターンオーバーが遅れてうるおいを保つ力が弱まります。肌の水分含有量が減少するため、乾燥しやすくなります

肌荒れ

肌のターンオーバーが遅れ乾燥すると、うるおいが不足し肌表面のキメが乱れます。また肌表面のバリア機能も低下するため、外的刺激を受けやすくなり、肌荒れやかゆみを起こしやすくなります。

肌の糖化が起こる原因

ケーキや菓子パンなどのデザート
肌の糖化には、糖質の摂取や加齢、紫外線の影響などが関係しているといわれています。それぞれについて、詳しく解説します。

糖質の過剰摂取

糖質は体の細胞が活動するために必要となる、大切なエネルギー源です。パンや米といった炭水化物にも糖質が含まれています。しかし糖質は、不足しても摂りすぎても良くありません。
エネルギーとして消費されず余った糖質は体内に蓄えられ、糖質とタンパク質が結び付くことで糖化が起きます。そのため、糖質の過剰摂取により肌の糖化を招きやすくなります。

加齢

糖化は老化とかかわりがあるといわれています。近年では加齢とともに、ターンオーバーの遅い組織にAGEsが蓄積することが知られています。また糖化の影響を受ける肌内部のコラーゲンの割合は、加齢とともに増加することもわかっています。

太陽光

肌は太陽光のダメージを受けると活性酸素が発生。その活性酸素により、AGEsの生成が促進されるといわれています。活性酸素は脂質と結合することで、肌の細胞を酸化させ、肌の老化を早める原因になります。

肌の糖化を防ぐ対策

サラダとリンゴを食べる女性
肌の糖化を防ぐために、食習慣や生活習慣、スキンケアなどを見直してみましょう。日々の生活の中で取り入れやすい対策を4つ紹介します。

1. 食事を工夫する

糖化を抑制するような食事を取り入れてみましょう。先述したように、糖質の過剰摂取は肌の糖化を招くため、甘いものや炭水化物などは食べ過ぎないように注意が必要です。ただし、糖質は体にとって必要なエネルギー源でもあるため、炭水化物の摂取を極端に減らす食事は避けましょう。
糖化が起こりやすいのは、食事により急激に血糖値が上昇するときです。主食よりも先に野菜、次に肉、魚を食べることで、食後の急激な血糖上昇を抑えられるといわれています。おだやかに糖を取り込む低GIの食べものを取り入れてみるのも良いでしょう。
■低GI食品の例:大豆(ゆで)・海藻・柑橘類・りんご・ヨーグルト・ナッツ類 など

2. 生活習慣を改善する

適度な運動やストレスの解消、十分な睡眠など、普段から糖化を防ぐ生活習慣を意識することも大切。
運動はウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。代謝アップ、血流改善、ストレス解消などにつながります。十分な睡眠は成長ホルモンの分泌につながり、ターンオーバーを促します。夜更かしをしないよう意識し、規則正しい生活を送りましょう。

3. 太陽光対策をする

太陽光のダメージによって活性酸素が発生し、AGEsの生成を促進するため、対策は万全に。太陽光は夏だけではなく1年中降り注いでおり、曇りの日でも量は少なくありません。
日やけ止めや帽子・日傘などを用いた対策は、日常的に行うのが望ましいと言えます。また太陽光は、室内にも窓などを通して入り込むので、外出しない日にも対策をしましょう。
近年では、太陽光に含まれる近赤外線が真皮のさらに奥の皮下組織まで浸透し、コラーゲンやエラスチンを生み出す線維芽細胞に影響を与え、シワやたるみにつながることが指摘されています。そのため、日やけ止めは紫外線だけではなく、近赤外線もブロックできるものを選ぶのがおすすめです。

4. スキンケアを見直す

糖化による肌への影響を抑えられるよう、スキンケアも見直してみましょう。洗顔の際は、肌をこすらずたっぷりの泡で優しく包み込むように洗うことがポイント。
肌の乾燥には、ヒアルロン酸やセラミドといった保湿成分が配合されたスキンケアアイテムを取り入れてみてください。シミやくすみにつながるターンオーバーの遅れには、ターンオーバーを整えるスキンケアも重要です。

まとめ

肌のうるおいを実感する女性
肌の糖化によって生成される老化物質AGEsは、シワやたるみ、シミやくすみといった肌悩みを引き起こします。またAGEsが蓄積し、ターンオーバーが遅れることもさまざまな肌悩みの原因に。肌の糖化は避けられない現象ですが、日々の食事や生活習慣、スキンケアなどを見直すことで抑制できるでしょう。健やかで美しい肌を維持できるよう、対策に取り組んでみてください。
【監修】原野 史樹

【監修】原野 史樹

大塚製薬株式会社
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。
水分をたっぷりと抱え込む肌へと導く大塚製薬の「インナーシグナル」は、乾燥やキメの乱れなどの肌悩みをケアするスキンケアアイテム。独自成分「エナジーシグナルAMP*」配合により、ターンオーバーを促すことでメラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぎます。
*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ

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