肌悩み
公開日:2023.03.30
更新日:2023.12.20
季節の変わり目に肌荒れするのはなぜ?起こりやすい症状・原因・対策を解説
季節の変わり目は気温や湿度の変化、紫外線のダメージなどにより、肌荒れを起こしやすい時期です。肌荒れを防ぐためには、季節の変わり目に肌荒れしやすい原因を知って対策することが大切。季節の変わり目に起こりやすい肌荒れの症状、季節ごとの肌荒れの原因、日々の対策として取り入れたいスキンケアや生活習慣を紹介します。
季節の変わり目に肌荒れしやすいのはなぜ?
季節の変わり目に起こる肌荒れは、気温や湿度の変化による乾燥、紫外線や花粉などのダメージが主な原因です。寒暖差で肌が乾燥すると、カサついたり赤みが出たりといった肌荒れを起こしやすくなります。
乾燥の原因の1つが、皮脂と汗の分泌量の減少です。気温が高くなると皮脂の分泌量は増え、気温が低くなると皮脂の分泌量は減少します。また汗に含まれる尿素や乳酸などには、保湿作用があります。この皮脂と汗が混ざり合ってできる皮脂膜は、水分の蒸発を防ぐ天然の保湿クリーム。そのため皮脂が減少することにより、肌が乾燥しやすくなります。
湿度の低下も乾燥を招く要因です。肌の最適な湿度は60~65パーセントといわれており、これより低下すると肌から蒸発する水分量が増え、乾燥が進みます。乾燥は肌のバリア機能の低下につながるため、なおさら肌荒れしやすい状態に。
その他、前の季節において紫外線や花粉などで受けたダメージが、季節の変わり目になって肌荒れとして現れることもあります。
季節の変わり目に起こりやすい肌荒れの症状
季節の変わり目に起こる肌荒れの症状はさまざまです。なかでも多く見られる症状を4つ紹介します。
カサつき
肌が乾燥すると肌表面の古い角質がめくれやすくなり、カサつきが目立つようになります。また角質層のうるおいを保持する力が弱まると、肌のバリア機能が低下し、さらなる乾燥を招きます。
赤み
肌に赤みがある場合は、炎症が起きている可能性があります。気温や湿度の変化によって乾燥しバリア機能が低下した肌は、紫外線や花粉などの外的刺激を受けやすい状態に。刺激を受けた部分に炎症が起きて血流量が増加し、赤みが出ることがあります。
かゆみ
赤みが出るメカニズムと同様に、乾燥によってバリア機能が低下すると異物や雑菌が侵入しやすくなります。すると肌が異常を知らせようとして、かゆみを引き起こします。掻くとさらなるかゆみを招いて悪化するので、注意が必要です。進行すると皮膚炎につながることもあります。
ニキビや吹き出物
バリア機能が低下して外的刺激を受けると、ターンオーバー(細胞が生まれ変わる周期)が乱れることがあります。すると肌表面の角質層が厚くなり、溜まった古い角質が皮脂と混ざって角栓となり毛穴を詰まらせ、皮脂が放出できなくなります。詰まった毛穴の中でニキビの原因菌が繁殖し、ニキビや吹き出物ができることがあります。
また、皮脂が過剰に分泌され肌の表面は脂浮きしているのに、肌の内部は水分が不足している状態のインナードライ肌は、ニキビができやすいので注意が必要です。特に顎周りは、皮脂は出るのに汗が出にくいため水分と油分のバランスが崩れて肌が不安定になりやすく、ニキビが繰り返しできやすくなります。
【季節別】肌荒れの原因
季節の変わり目に現れる肌荒れは、春・夏・秋・冬それぞれの季節で受けた肌のダメージが後を引いている可能性があります。季節ごとの主な肌荒れの原因・症状を押さえて、肌荒れ予防に活かしましょう。
【春】紫外線・花粉
春は冬の乾燥によるダメージが蓄積され、保湿力が低下して肌がデリケートになっている状態です。そのため刺激により肌荒れが起きやすい季節と言えます。加えて紫外線が徐々に強くなり始める時期でもあるため、肌の乾燥や炎症、シミ、シワなどを引き起こしやすくなります。
また春に多く飛散する花粉も肌荒れの原因です。花粉やほこりなどが肌に触れると、吹き出物、かゆみ、かぶれ、じんましんといった肌荒れが現れることがあります。場合によってはアレルギー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎を起こすことも。これらの症状は、肌のバリア機能が低下することで起こりやすくなります。
その他、花粉の時期によく使うマスクやティッシュの摩擦も肌荒れの原因の1つです。
【夏】高温多湿・強い紫外線・冷房
夏は、高温多湿の環境によって皮脂や汗が過剰に分泌され肌表面に長く留まることで、吹き出物やニキビ、あせもや湿疹ができやすくなる季節です。また紫外線が強くなるため、シミやそばかす、シワやたるみといった肌悩みも現れやすくなります。
その他、室内の冷房によっても肌の水分が蒸発して乾燥し、カサつきが起こりやすくなります。
【秋】春~夏のダメージの蓄積・気温や湿度の低下
秋の肌荒れの原因は、春〜夏に浴びた紫外線や冷房による肌ダメージの蓄積によるものが主です。肌が乾燥して角質層が厚くなりゴワつきを感じやすくなります。また気温や湿度の低下によって肌の抵抗力が弱まり、デリケートな肌状態になるのも秋の肌荒れの原因。
さらに秋は、シミやそばかす、くすみといった肌悩みも起きやすい季節です。
【冬】気温や湿度の低下・外気と室温の温度差・暖房
気温や湿度の低下が著しい冬は、血行不良から肌のターンオーバーが乱れやすくなります。また皮脂の分泌量が減少して肌が乾燥し、肌荒れにつながります。
さらに、外気と室温の温度差によって赤ら顔になったり、暖房により肌の水分が蒸発し、乾燥が進むことで肌のハリや弾力が減少したりといった肌悩みが現れることもあるでしょう。
【スキンケア】季節の変わり目の肌荒れ対策
季節の変わり目に起こりやすい肌荒れ対策として3つのスキンケアを紹介します。季節の変わり目は肌がデリケートになりやすいため、バリア機能をまもるスキンケアで肌荒れ予防を徹底しましょう。
1. 丁寧な洗顔を心がける
肌がデリケートになっている季節の変わり目は、肌の乾燥やダメージを防ぐためにも、やさしく洗顔をすることが大切です。
- キメの細かい弾力のある泡をたっぷりつくる。
- 肌に手が直接触れないよう、泡をころがすようにして洗う。
- ぬるま湯で丁寧にすすぐ。
顔の輪郭や髪の生え際、小鼻の周りなどは、すすぎ残しがないよう注意しましょう。また、特に高温多湿で皮脂や汗が過剰に分泌されやすい夏は、クレンジングで油性の汚れを、洗顔で水性の汚れを丁寧に落とすのがポイントです。
2. しっかりと保湿する
洗顔後は美容液、化粧水、乳液、クリームなどを使って肌にうるおいを与えます。特に小鼻や口、目の周りは塗り忘れやすい部分なので、意識して塗るようにしましょう。
化粧水を塗るときは、ムラができにくくなるようコットンを使用するのがおすすめ。フェイスマスクや部分美容液を使って集中ケアするのも効果的です。
3. ターンオーバーを促しバリア機能をまもる
紫外線や花粉、ほこりなどの外的刺激から肌を守るには、肌のバリア機能を高めることが大切です。ターンオーバーが整っていると、バリア機能を担うセラミドなどの細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)が増え、うるおいのある健やかな肌に。外部刺激を受けにくく、肌荒れしにくくなります。
スキンケア用品を選ぶ際は、ターンオーバーを促す成分にも注目しましょう。
【生活習慣】季節の変わり目の肌荒れ対策
季節の変わり目の肌荒れ対策には、スキンケアはもちろん生活習慣の見直しも大切です。季節の変わり目だけではなく、日頃から肌荒れしにくい生活習慣を意識しましょう。
1. 年間を通して太陽光対策をする
肌荒れを防ぐために、太陽光対策は季節を問わず欠かせません。雨や曇りであっても、太陽光は1年中降り注いでいます。室内にいても、窓などから太陽光が入り込むので注意が必要。
日頃から日やけ止めや日やけ止め効果のある化粧下地を使用しましょう。夏場は特に日差しが強くなるため、帽子や日傘、サングラスなども併用して対策するのがおすすめです。
2. 花粉対策をする
花粉が飛散する時期は花粉対策も重要です。花粉が肌に直接触れないよう、日やけ止めやファンデーションを塗るなどして肌を保護しましょう。マスクや帽子、メガネなどを使った対策も効果的です。
花粉の飛ぶ時期に外出をする場合は、雨の日や風が弱い日、気温が低い日など、花粉の飛散量が少ない日や時間帯がおすすめ。帰宅後は服に付いた花粉をしっかり落としましょう。
3. 食生活を見直す
肌荒れには食生活も関係しています。偏った食事は肌荒れの原因につながることも。健やかな肌を保つために、タンパク質やビタミンなど肌に良い栄養素を含む、バランスのとれた食事を心がけましょう。
栄養素 |
効果・効能 |
含まれる食品 |
タンパク質 |
皮膚の細胞を作る |
卵・大豆製品・乳製品 など |
ビタミンA |
抗酸化作用がある |
レバー・卵黄・緑黄色野菜 など |
ビタミンC |
コラーゲンの合成に必要 |
赤パプリカ・ブロッコリー・キウイ など |
ビタミンE |
血行を促進する |
アーモンド・植物油 など |
ビタミンB群 |
皮膚や粘膜の再生に関わる |
レバー・ウナギ・マグロ など |
4. 十分な睡眠をとる
睡眠不足も肌荒れを招きます。十分な睡眠は成長ホルモンの分泌と大きくかかわっており、成長ホルモンの分泌は肌のターンオーバーを促すといわれています。
- 朝起きたら朝日を浴びて体内時計をリセットする。
- 入眠の1〜2時間前に40度程度のお風呂に15分間入る。
- 寝る直前のスマートフォン・PCの使用、カフェインの摂取は控える。
- 夜は早めに照明を落とす。
まとめ
季節の変わり目は気温や湿度の変化が大きく、肌の乾燥やバリア機能の低下などにより肌荒れが起こりやすい時期。保湿やターンオーバー促進を重視したスキンケア、太陽光や花粉、食生活や睡眠改善などの対策で、季節の変わり目に負けない肌づくりを目指しましょう。
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*アデノシン一リン酸二ナトリウム OT/メラニンの蓄積をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ
大津スキンケア研究所 所長
1992年大塚製薬入社
健粧品の基礎試験、有効性評価を担当し、2011年から大津スキンケア研究所所長。